アパート・賃貸物件のオーナー向け外壁塗装は、戸建てとは別のルールで進める必要があります。
結論から言うと、アパート外壁塗装は「居住者対応」「家賃収入の維持」「経費計上」「補助金活用」の4軸で戸建てとは違う配慮が必要。本記事ではアパートオーナー向けの費用相場・進め方・節税方法・業者選びを整理します。
結論:アパート外壁塗装の費用相場
| 建物規模 | 外壁塗装のみ | 外壁+屋根 |
|---|---|---|
| 2階建て4戸(小規模) | 120〜200万円 | 150〜250万円 |
| 2階建て8戸(中規模) | 200〜350万円 | 250〜450万円 |
| 3階建て12戸 | 300〜500万円 | 400〜650万円 |
| 4階建て20戸(大規模) | 500〜900万円 | 650〜1,200万円 |
戸建ての約2〜10倍の規模感。足場代だけで100〜300万円かかるため、相見積もりの差額も大きい。
アパート塗装が戸建てと違う5つのポイント
① 居住者への事前告知が必須
足場設置・塗料の臭い・洗濯物が干せない期間など、居住者への影響が大きい。施工2〜4週間前に文書で告知が必須。
② 工期が長い(2〜6週間)
戸建ての10〜14日に対し、アパートは2〜6週間。居住者の生活制限期間が長い。
③ 駐車場の確保
足場・職人の車・資材置き場で駐車スペース2〜4台分が必要。居住者に協力依頼。
④ 経費計上で節税
外壁塗装は「修繕費」として全額経費計上可能(条件あり)。所得税・住民税の節税効果大。
⑤ 助成金は基本対象外
多くの自治体助成金は「自己居住用住宅のみ」が条件。アパート(賃貸物件)は対象外のケースが大半。
アパート塗装の節税効果(経費計上)
「修繕費」と「資本的支出」の違い
| 区分 | 条件 | 経理処理 |
|---|---|---|
| 修繕費 | 原状回復目的の塗装(同等グレード) | 全額その年に経費計上 |
| 資本的支出 | 耐久性向上目的(高グレード塗料への変更) | 10〜30年で減価償却 |
修繕費として経費計上する条件
- 建物の使用可能期間を延長する目的でない
- 建物の価値を増加させる目的でない
- 同等グレードの塗料で塗り替える
- 20万円未満の小規模修繕は無条件で修繕費
- 3年以内の周期的修繕は無条件で修繕費
節税効果の試算(年収1,000万円のオーナーの場合)
| 塗装費用 | 所得税節税 | 住民税節税 | 節税合計 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 約66万円 | 約20万円 | 約86万円 |
| 300万円 | 約99万円 | 約30万円 | 約129万円 |
| 500万円 | 約165万円 | 約50万円 | 約215万円 |
500万円の塗装で実質的な負担は285万円。節税効果を考えれば、グレード高めの塗料を選ぶ判断もあり。
アパート塗装の進め方5ステップ
ステップ1:相見積もり3〜5社(2〜3ヶ月前)
大規模物件は業者によって価格差が100万円以上。必ず複数社で見積もり比較。
ステップ2:居住者への告知文書作成(1〜2ヶ月前)
告知文書に必須の項目:
- 施工期間(開始日・終了日)
- 足場設置日・解体日
- 塗料の臭い・乾燥期間
- 洗濯物が干せない期間
- 窓を開けられない期間
- 駐車場の制限期間
- 緊急連絡先(オーナー・業者)
- 工事終了後のクリーニング
ステップ3:契約・着工前打合せ(2週間前)
業者と「居住者対応の役割分担」「クレーム対応窓口」「工程表確認」を確認。
ステップ4:着工〜完了
進捗を毎週確認。居住者からのクレームは即対応。
ステップ5:完了後の経理処理
領収書・契約書・施工写真を保管。確定申告で「修繕費」として計上。
居住者対応で揉めない3つのコツ
コツ①:1ヶ月前から「予告」、2週間前から「詳細告知」
突然の足場設置は「聞いてない」クレームの最大原因。1ヶ月前の予告通知+2週間前の詳細通知の2段階で告知。
コツ②:洗濯物・換気の代替案を提案
- 近隣のコインランドリーの紹介
- 家賃の一部減額(任意)
- 引越し費用の補助(長期工期の場合)
コツ③:施工前に「お詫び品」を配布
500〜1,000円程度の品物(タオル・洗剤・お菓子)を配るとクレーム発生率が大幅に下がる。
アパート塗装で空室率を下げる効果
| 塗装前 | 塗装後 |
|---|---|
| 築20年の古びた印象 | 築10年クラスの清潔感 |
| 内見数 月3組 | 内見数 月8組(2.6倍) |
| 成約率 30% | 成約率 50% |
| 空室率 20% | 空室率 5〜10% |
| 家賃 8万円(5%下げ) | 家賃 8.5万円維持 |
塗装で家賃3,000〜5,000円/月維持+空室率改善。年間で1物件あたり50〜200万円の収益改善効果。
アパート塗装業者の選び方
選び方①:アパート施工実績の確認
戸建て施工しか経験のない業者だと、居住者対応・大規模足場の経験が不足。アパート施工実績の写真を提示してもらう。
選び方②:建設業許可と労災保険
500万円超の工事には建設業許可が必須。アパート塗装は500万円超のケースが多いので必ず確認。
選び方③:見積書の詳細度
「足場一式300万円」のような曖昧見積はNG。「足場 ㎡数×単価」「塗装 ㎡数×単価」で明示。
選び方④:保証年数
塗料の耐用年数(シリコン10〜15年)に見合う保証年数か。10年保証が標準。
選び方⑤:オーナー向けの提案能力
節税アドバイス・居住者対応のノウハウがある業者か。「アパートオーナー専門」を謳う業者が安心。
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アパート塗装で使える助成金
多くの自治体助成金は「自己居住用住宅のみ」が条件でアパートは対象外だが、以下の制度は使える可能性:
| 制度 | 対象 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国) | 賃貸物件もOK | 100〜250万円 |
| 子育て対応リフォーム補助(国) | 子育て世帯向け改修 | 30〜100万円 |
| 省エネ改修補助金(自治体) | 遮熱塗料使用時 | 10〜30万円 |
| 耐震改修補助金(自治体) | 耐震工事と同時 | 20〜100万円 |
これらは条件が厳しいが、該当すれば数百万円規模の補助。業者と相談しながら申請。
火災保険でアパート塗装費用がカバーされる場合
アパートも台風・雪・落雷で外壁・屋根が損傷していれば火災保険申請可能。オーナーが火災保険契約者なら適用される。
申請手順は 外壁塗装で火災保険は使える? 参照。
よくある質問
Q. アパート塗装の頻度は?
シリコン塗料で10〜12年。戸建てより1〜2年短いサイクルで塗装するオーナーが多い(物件価値維持のため)。
Q. 居住者から家賃減額を要求されたら?
応じる義務はないが、長期工期(2週間超)の場合は1〜2万円の減額を提案する事例多数。クレーム回避のため。
Q. 入居者の引越し費用は負担すべき?
引越しは原則オーナー負担なし。ただし大規模改修で居住困難な場合は仮住まい費用を負担するケースあり。
Q. 塗料グレードは?
アパートはシリコン以上推奨。フッ素・無機を選ぶと長期コスパが良いが、節税効果との兼ね合いで判断。
Q. アパート塗装で消費税は?
事業所得として確定申告するなら、消費税の仕入控除が可能(課税事業者の場合)。
Q. 塗装業者の倒産リスクは?
大規模工事は途中倒産のリスク大。建設業許可保有・年商10億円以上の業者が安全。
まとめ
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または、依頼申込だけで全国の業者から提案が届くゼヒトモも選択肢:
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